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高卒でも取得可能な資格や転職活動で有利になる資格にはどんなものがあるでしょうか?
職種によっては専門資格が必要となる仕事もありますし、スキルアップ・キャリアアップのために資格を取得すると仕事の幅が広がる場合もあります。
しかし、ただ資格を取得すればいいというわけではありません。業界・職種によって役立つ資格は異なります。
そこで、資格を取得するために費やした勉強時間を無駄にしないためにも、自分が就きたいと思っている仕事で本当に役立つ高卒向けのおすすめの資格について、業界・職種別に考えてみましょう。
【業界・職種別】高卒の転職でおすすめの資格
下記の業界・職種ごとにおすすめの資格・免許をご紹介します。
- 全業界共通の資格
- IT業界の資格
- 不動産、建設・建築業界の資格
- 飲食業界の資格・免許
- 医療・介護の資格
- 事務職の資格
- 工場・建設現場の職人の免許
- 高卒で士業を目指す方の資格
①全業界共通の資格
- TOEIC(トーイック)
英語によるコミュニケーション能力を検定するための試験。実用英語技能検定(英検)と並び、語学スキルを証明するのに効果的です。さまざまな分野の翻訳力を証明する資格としてはTQE(翻訳実務検定)があります。 - 普通自動車免許
職種や業界を問わず、オールマイティーに役立つのは、意外にも普通自動車免許です。
②IT業界の資格
- MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)
『MOS』はExcelやWord、PowerPointなどのスキルを証明する資格です。一般的にWord、Excel、PowerPointを使いこなせない場合はオフィスワークは難しいでしょう。特に、前職が工場・建設現場の職人など普段パソコンを使わない職であった方が転職する際は『パソコンが使えないので、最低限の仕事すら出来ないのでは?』と疑ってくる採用担当もいるかと思います。そんな時にMOSを取得していると、採用担当に最低限の安心感を与えることができます。とは言っても、PCスキルに関してはオフィスワークの最低限のスキルなので、MOSを取得せずとも、パソコンを使いこなせれば問題はありません。 - 基本情報技術者
『基本情報技術者』は、主にプログラマー・システムエンジニア(SE)などのIT職に従事する人、あるいはこれから従事しようとする人達を対象とした国家試験です。基本情報技術者試験もITパスポートと出題される範囲は同じですが、出題内容がITパスポートに比べると難しくなるのが特徴的です。基本情報技術者試験は合格することが難しく、実際に平成29年度は受講者数144,501名に対して22.1%の合格率でした。そのため、取得すると企業からは高い評価が得られ、転職活動で有利に働くでしょう。
③不動産、建設・建築業界の資格
高卒から不動産、建設・建築業界を目指す方におすすめの国家資格をいくつかご紹介します。
- 宅地建物取引士
宅地建物取引士(宅建)は、不動産の売買や賃貸の仲介などに不可欠な資格です。不動産が資産として重要視される日本において、常にニーズが高く、数ある国家資格の中でも抜群の知名度と活用度を誇っています。その理由は、宅建の資格取得者なしには、不動産業者が宅建業を営むことができないから。仕事で活かすことができ、就職・転職の武器にもなる、人気の高い国家資格です。求人も多く、年齢や学歴に関係なく受験できる人気の国家資格なので、誰でも「宅建」という略称を一度は耳にしたことがあるかと思います。 - 不動産鑑定士
不動産鑑定士とは名前のとおり、不動産の鑑定評価をする。つまり、土地や建物など、不動産の価値を判定して適正な価格を出すことが仕事です。
不動産鑑定士はさまざまな分野で活躍しており、国や都道府県が土地の適正な 価格をー般に公表するための、地価公示や地価調査の制度をはじめとして、 公共用地の取得、相続税標準地の評価、固定資産税標準宅地の評価、裁判上の評価、会社の合併時の資産評価ならびに現物出資の評価、さらには、不動産に関するコンサルティング等、広く公共団体や民間の求めに応じて不動産鑑定士が業務を行っています。 - 施工管理技士
土木施工管理技士は、建設工事が安全かつ予定通りに進行するよう、土木現場で働くさまざまな業者を統括するのが主な仕事です。土木工事には、河川、港湾、道路、鉄道、上下水道工事など私たちの社会生活に欠くことのできない公共施設に関連するものが多くあります。それだけに、土木施工現場での監理技術者・主任技術者として地位が与えられている土木施工管理技士の活躍の舞台は幅広く、あらゆる土木建設の場で力を発揮することができます。施工管理技士の国家資格は、建築、土木、電気、建設機械、造園、管工事の6種類あります。
その他の肉体労働では、クレーンやフォークリフトなど、大型、小型の特殊自動車免許を取得しておくと転職活動で有利となる場合があります。
④飲食業界の資格・免許
- 調理師
調理師免許は国家資格で、食品の『栄養』や『衛生』、『適切な調理法』などの知識を持ち、安全な料理を作ることができる調理のプロです。
調理の経験と知識の証明になり、有資格者は社会的に好評価のため、 『飲食業界で転職を考えている方』『将来自分のお店を開きたいと思っている方』などは、ぜひとも取っておきたい資格です。 - 食品衛生責任者、防火管理者
上記の2つは、飲食店を開業するために必須の資格です。 - レストランサービス技能士
レストランなどのウェイターやウェイトレスなど、食事や飲料に関するサービスの技能を認定する唯一の国家資格で、実務経験1年以上で3級を受験することが可能です。
⑤医療・介護の資格
人手不足によりニーズの高待っている医療・介護の分野では、高卒でも取得可能な資格を取って現場で経験を積むことにより、キャリアップを目指すことも可能です。
- 介護職員初任者研修
介護の仕事は大きく分けると、掃除や洗濯・料理などの『生活援助』と、利用者さんの身体に触れて食事・入浴・排せつなどの日常生活を支援する『身体介護』の2種類があります。これは、利用者の家を訪問して行う訪問介護でも、老人ホームなどの施設介護でも同様です。このうち、利用者さんの身体に触れる『身体介護』をするためには、必ず介護の資格を保有している必要があります。介護の資格は、比較的短期間でとれるものから、難易度の高い国家資格までさまざま。その中で、この介護職員初任者研修は3カ月程度で取得が可能なもっともとりやすい資格で、いわば『介護のスタート資格』です。
かつてはホームヘルパー資格の1級、2級、3級や介護職員基礎研修がありました。現在は制度変更により、介護職員初任者研修が、新人向けの入門的な資格として位置づけられています。
身体介護ができるという意味で、旧ヘルパー2級相当の資格と言われていますが、それまであった施設での実習がなくなり、新たに研修修了後の試験が課せられるようになっています。 - 介護福祉士
介護福祉士資格は、初任者研修やケアマネジャーと違い、現時点では介護福祉系資格の中で唯一の国家資格です。介護福祉士の仕事は、介護が必要なお年寄りや障害のある人に対して、スムーズな日常生活が送れるように、食事や入浴、排泄、歩行などの介助や介護者からの相談に応じてアドバイスをしたり、介護者の精神面での支えになったりたりすることが主な仕事です。
その他にも、介護福祉士は家族の介護をする方や介護現場で働くヘルパーさんに対して指導やアドバイスをすることも仕事のひとつです。介護の専門知識や技術を伝え、指導する現場のリーダー的存在といえるでしょう。ちなみに、介護福祉士は別名ケアワーカーとも呼ばれています。
また、現場での実務経験を積んでサービス提供責任者の資格を取得すれば、訪問介護事業所のリーダーとしてヘルパーを管理したり、事業所運営にかかわったりする仕事ができるようになります。
介護の資格としては、『介護施設管理士』や『福祉用具専門相談員』、『サービス介助士』などは受験要件がないため、高卒の方にとってもチャレンジしやすい資格となっています。
⑥事務職の資格
- 簿記2級以上
会社や商店において、お金の出入りを一定のルールに沿って正しく記録するのが簿記です。この記録が経営成績や財政状態の証明になります。小さな商店から大企業まで企業規模を問わず、経済活動があるところすべてで簿記は必要不可欠です。また、どの業種にも簿記は必要とされるため、活躍のフィールドが幅広いのも特徴です。さらに、簿記2級まで持っていれば、多様な経理実務をこなせる人材として注目されます。
簿記2級の求人は、サービス業やメーカー、販売会社はもちろん、医療関連分野や各種の個人事務所などでも目にすることができ、『経理の専門技能者』へのニーズの高さがうかがえます。
⑦工場・建設現場の職人の免許
- 準中型免許・中型免許
準中型免許は、2017年3月12日に新たに施行された、普通免許と中型免許の間できた新しい運転免許の種類です。準中型免許を取得することで運転できるトラックが、車両総重量7.5t未満・最大積載量4.5t未満となっており、いわゆる2tトラック・3tトラックを運転できるようになります。中型免許と異なる準中型免許の最大の特徴は、18歳から免許を取得できることです。これにより、高校を卒業してすぐの人もトラックを運転できるようになりました。
⑧高卒で士業を目指す方の資格
弁護士・弁理士・司法書士・税理士・行政書士など、いわゆる『士業』と呼ばれる専門国家資格のうち、高卒でも取れる資格には次のようなものがあります。
- 行政書士
行政書士は、弁護士、司法書士などのように、法律を扱う国家資格です。
中でも、業務独占資格と呼ばれ、医師などと同じで資格を持っていないとできない業務を特に行うことが許されます。主な業務内容は、法的文書を作成して提出手続きを代行したり、書類作成の相談に乗ることです。行政書士の資格を持っていれば、法律の知識を持っていることの証明にもなるため、転職の際にもアピールできます。また、難関資格の取得にむけて努力したこと自体も評価される可能性があります。 - 公認会計士
公認会計士は、医師や弁護士と並び三大国家資格と言われています。公認会計士とは会計の専門家であり、その仕事内容は監査をはじめ、財務・経理、会計コンサルティングなど多岐にわたります。
また、公認会計士の魅力の1つとして『将来性・安定性』が挙げられます。
『会計』は企業の規模・業種にかかわらず、必ず必要となるスキルであるため、監査業務をはじめ、ビジネスフィールドは多岐にわたり、企業の健全な発展のためにも『会計』のプロである公認会計士の社会的ニーズは高いと言えます。
ただし、士業の国家資格は難易度が高く、合格するためには相当の勉強が必要になる上に、受からなければ全く意味がありません。
そのため、自分の実力と大きな差がある場合や、年齢が高い場合は要注意です。
試験勉強に時間がかかり過ぎて転職活動が不利にならないように、慎重に計画を立てましょう。
まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございます。
高卒の転職でおすすめの資格について業界・職種別にまとめてみましたが、いかがでしたか?
ここで、再度この記事のポイントを振り返ってみましょう。
『この記事のポイント』
- 全業界共通の資格
TOEIC(トーイック)
普通自動車免許 - IT業界の資格
MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)
基本情報技術者 - 不動産、建設・建築業界の資格
宅地建物取引士
不動産鑑定士
施工管理技士 - 飲食業界の資格・免許
調理師
食品衛生責任者、防火管理者
レストランサービス技能士 - 介護業界の資格
介護職員初任者研修
介護福祉士 - 事務職の資格
簿記2級以上 - 工場・建設現場の職人の免許
準中型免許・中型免許 - 高卒で士業を目指す方の資格
行政書士
公認会計士
そこがぶれてしまうと、単に資格取得のための勉強という視野の狭い見方になってしまいます。
さらには『資格さえ取得すれば転職が成功する』という認識は、残念ながら間違いです。
資格は、あくまで目標を実現させるための『手段』であり、けっして『目標』ではありません。
大切なのは資格を取得したその先にある、『この業界・職種でこんな仕事をして活躍したい』『この業界・職種でキャリアを積んで、将来的に独立したい』などの自分の将来についてを目標にすることです。
まずは、たくさんある仕事の中から、自分が興味のある業界や職種をピックアップし、その分野の求人の傾向から、取得した方が転職活動が有利になる資格があるかどうか調べてください。
また、募集されている高卒向けの求人をよく比較検討して、自分が希望する職種に関連する高卒でも取得可能な資格について調べてみましょう。
自分の目的に合った資格を取得することは、みなさんが思い描いた将来の目標をより具体的に実現させるための助けになってくれるはずです。
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